令和七年お盆棚経
本年もお盆を迎え、大聖院では檀家様の棚経まわりをさせて頂いております。

本年は非常に梅雨期間の短い六月を経て、お盆を迎えました。顧みれば梅雨らしい雨はほとんど無く、急に夏をむかえてしまったような感触です。そのかわりお盆に雨が降り、なんだか調子の狂う陽気です。

梅雨のある六月は旧暦で「水無月」(みなづき)と呼びます。雨の季節なのに水が無い月とはおかしく見えますが、これには理由があります。昔の日本では「無」という字は「~の」という使い方をする文化があったそうです。つまり水無月は「水の無い月」ではなく「水の月」という意味になる訳です。
そうした水が多分に潤う月「水無月」を経て、次に来たる七月は旧暦で「文月」(ふづき・ふみづき)と言います。
梅雨の期間が長くなると、大事に保管していた書物や手紙にカビが生えたりして痛むことがあります。昔の日本ではそういった湿気による紙の劣化を少しでも防ぐため、梅雨明けの天気のいい日に紙を広げて一斉に天日干しにしました。それにより、普段はあまり目にすることのない文書や文字が白日の下に出てくる訳でございます。
そういった文を目にすることができる季節ということで、七月は「文月」と呼ばれていたそうでございます。
本年の梅雨の短さでは文書の痛む余地もないかもしれませんが、熱波や水不足等、梅雨がないのも困りものでございます。
今は失われつつある日本古来の四季に想いを馳せつつ、檀信徒の皆様のご健勝を心からお祈り申し上げます。今年も酷暑となりますが、ともに乗り越えて参りましょう。
〇空海さんの御言葉〇
「甘露の乳水、醍醐(だいご)の油、濛濛漫漫(もうもうまんまん)として山谷に流れる。」
・乳水や油の如く人の糧となる仏の慈悲が、絶えず我々に豪雨のように降り注いでいるように、この雨も山谷に力強く降り、豊かに流れている。
※お盆について
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