身体健康・病気平癒祈願法会
本年も先代住職の命日に合わせ、健康祈願を目的とした護摩法会を実施致しました。
御参詣の皆さまにおかれましては、大雨の中をお越しいただき有難うございます。
本供養は、非常に頑健であった壮年の先代の如く、皆様にも健勝に過ごして頂きたいと願いながら、修法させて頂いております。
思い起こせば先代住職興勝和尚は、孫の私(副住職)から見て一言でいうと、「強い爺様」でございました。
骨折した状態で庭木を剪定したり、腕相撲で孫たちを散々に打ち負かしたりと、力強い祖父であったと記憶しおります。
学生時分の私は、そんな祖父をこっそり自慢に思っており、周囲に「うちのじいさんは間違いなく百歳まで生きるから見とけ」と話したりしておりました。
しかしながら、七十代の前半で祖父は突然の病に臥せ、そこから一年程で帰らぬ人となってしまいました。
「あの住職が!?」と、かつての祖父の壮健さを知る人間は一様に驚いておりました。
当時の私は僧侶になる前の大学生でありましたが、世は無常にして無情なのかと、若輩ながら痛感した記憶が残っております。
もし病さえ得なければ、当祈願法会も、祖父、父、孫の三世代で厳修することもあったのかと思うと、惜しまれるところでございます。
先代住職の健康を祈願することは最早叶いませんが、先代が愛した大聖院に御縁のある皆様に、壮健で矍鑠にお過ごし頂けるよう、祖父の面影を胸に祈願をさせて頂きました。
祈願をさせて頂いた皆様の身体健全、無病息災が、興勝和尚の供養ともなります。
これから大暑をむかえますが、御自愛専一にお過ごしください。
〇空海さんの御言葉〇
「四大のとどまり難きは、野馬の虗迹(きょせき)に過ぎたり。」
・あらゆる物の移り変わりは、馬の陽炎のように無常である。